怖いナルシスト
10年以上、自分にとってとても大切な人がいました。その方は私にとって母親のような存在で、心から尊敬しており、その人のためなら何でもしたいと思っていました。実の母親は精神病を患っており、発作が起きると虐待や様々な悪態をつくことがあったため、幼少の頃から私は母親的な存在を求めていました。
その方も、非常に悲惨な人生を歩んでおり、同情の気持ちも抱いていました。私はその人の心が癒されることを願い、本当の娘以上の関係になれたらと夢見ていました。しかし、その方は私が何か失敗すると、しばしば不満をぶつけてきました。私は自分が足りないからだと思い、「すみませんでした。次は気を付けます」と真摯に反省していました。こうした状態が何年も続き、その方の気に入らないことはできませんでした。
しかし、そうした状況が続くと、次第に大きなストレスとなっていきました。クリスチャンの友達は「尽くし続けたら必ずわかってくれるよ」と言うのみでしたが、ある時、私が反抗的になり、手を出されることもありました。その際、友達は「手を出すなんて最低だね」と言いましたが、私は「いいえ、私が悪いのです」と答えました。さらに、その人には仲間がいて、その人たちも私を陰湿にいじめるようになりました。
そんなある日、私は「もうこのような状態を続けることはできない」と思い、カウンセリングを受け始めました。何人かのセラピストからもセッションを受けました。そして、次第に理解できたことは、ナルシスト、すなわち心理学的に言えば自己愛性パーソナリティ障害を持つ人が世の中に存在し、その人と関わると、「自分は足りない」「自分の性格が悪いからだ」などと、自分に自信を失い、知らず知らずのうちに生活もとてもみじめなものになっていく、ということでした。私は、自己愛性パーソナリティ障害とは何かを深く学びました。そして、自分の持って生まれた才能や性質を守るために境界線を引くこと、また他人を自分の心に土足で踏み込ませない責任があることを学びました。そして、ある意味では、私が成長し他の人を助けられるように、宇宙から訓練された期間だったのではないかとも思えるようになりました。私のセッションは、自分自身の人生の歩みの一部でもあります。共に歩むことができれば幸いです。